*episode.2*

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 結局、「送る」と言って譲らなかった課長の車に乗り、決して豪華ではない普通の1LDKのマンションの前まで送ってもらった。  社交辞令で、  「お茶でもどうですか?」  なんて言うところなんだろうけどそこは敢えて言わずに、  「ありがとうございました。おやすみなさい」  そう言ってマンションへと入った。  課長は私がマンションに入るのを確認してから静かに車を発進させた。  紳士的と言えばそうなのかも知れないけど、今日、会ったばかりで“結婚しよう”とか言うくらいだからやっぱり軽い人なんだと思う。
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