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「先輩?……春花先輩!」
「えっ、ごめん。どうしたの?」
ボーッとしてしまって、隣の席の夏美ちゃんの声に少しだけ驚いた。
「もー、春花先輩、ボーッとして何か考え事ですか?水島課長ってかなりのイケメンですよね。独身らしいですよ」
嬉しそうに話す夏美ちゃん。
「そう?でも、私は興味ないわ」
思ってる事を正直に口にすると、
「ハァ?春花先輩!そんなんだからダメなんですって。だから30になっても彼氏が出来ないんですよ。私、春花先輩が心配でしょうがないです」
「ちょっと、夏美ちゃん!まだ29歳だからね。そろそろ外回りに行って来るね」
夏美ちゃんに軽く手を挙げてオフィスを足早に出た。
後ろで夏美ちゃんが、
「29も30も一緒ですからねー」
って言ってたのは聞こえない振りをした。
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