vol.1

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「マリアは倉庫に隠れていろ」 どこからともなく聞こえた父の声が思い出される。 マリアの船団は魔物化したサメの大軍に襲われた。乗組員は普段魔物が全く見られない海の人々である。皆があせり、普段あまり使うことの武器を手に対抗した。 周りはみながせわしなく動いていた。銃を手に魔物と戦う人、傷ついた人を船内へ運ぶ人。だが、そもそも魔力で凶暴かつ強力となっている魔物に普通の武器の効果は低い。次々と人が倒れ、海がところどころ赤く染まったいた。マリアも傷ついた人々を運び、看護していたからこそ、海が魔物で埋まっているのを見、死が迫っている絶望を感じていた。皆が必死だが、このままでは長くはもたないことも簡単に理解できた。
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