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「目が覚めたのか?」
(え?)
ふいに声をかけられてマリアは思考をやめた。声をかけたのは黒髪の青年だった。背が高く、年は自分より少し上くらいだろう。混乱して彼が入ってきたのにも気づけなかった。
「おい、大丈夫か?」
反応がなかったのを気にしたのだろう、青年が話しかけた。
「昨日、海岸にお前が倒れてるのを見つけたんだ。あの渦潮で生きていたのも奇跡に近い。最近はここらには船も近づきさえしなかったはずだが、何があった?」
「魔物に襲われて、みんな傷ついて。それで”恐怖の島”のほうににげたの。
みんなどんどん渦潮に巻き込まれて、
それで私も落ちて。」
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