vol.1

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「そうか。 顔が真っ青だ。とりあえずこれを飲みな。元気が出るはずだ。その後で、話をもう一度聞こう。」 青年はそういいながら、温かい飲み物の入ったカップを渡してきた。 (さっきカップなんて持ってたっけ?) マリアは少し不思議に思いながらも、大人しくうなずいた。自分がショックで青白くなっているのも自覚できた。 「おいしい・・・」 不思議な飲み物だった。暖かくて甘くて、とてもおいしいけれど、それ以上に心が暖まる気がした。 「そいつはよかった。手作りなんだ。 まだ自己紹介してなったな。俺はリューク=スノーだ。」 少しうれしそうに笑ってリュークが言った。 「マリア=テーネ。 言い忘れてたけど、助けてくれてありがとう。」 「いや、いいさ。俺はたいしたことはしてないし。 じゃあ詳しく聞かせてくれる?」
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