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そして3日が過ぎた頃。
丁度、僕がこの生活に慣れてきた時だ。
恵は屋上にいた。僕は恵に呼ばれ、屋上に来たのだ。
しかし、恵は今にも屋上から飛び降りそうだった。
「な、何してんだよ…恵!」
「私の家族……3日前にみんな死んじゃったんだよ!3日前死のうとしたのに…なんで達也が来たのよ!来ないでよ、あなたには生きてて欲しかった。生きて…欲しかった」
僕は拳を握り締めた。怒りに満ち溢れ、どうすることもできなかった。
「なんで僕が自殺しようとしたか…恵分かるか?お前が自殺したこと、母さんが僕に告げたんだよ…だから」
「私も‥あなたがいなくなって人生に希望が無くなった。でも希望はすぐ近くにあったんだよ‥家族って希望がね?皮肉よね‥こんな施設に入らないと、それに気づけないんだから‥」
その時、恵は笑った。
僕は波の音が聞こえた気がした。
「面会に来てくれて、色んな話しをして……楽しかった。すぐにここを出たかった…でも、もう私には、帰る場所が無いのよ‥」
僕は、ともき先生の言葉を思い出した。なんで勝手に死ぬんだ‥
やっと会えたのに…また恵は、僕から遠ざかろうとしている。
僕は言った。
「先に行ってろ‥僕もすぐに………いや、あと80年は行かねーよ!首長くして…待ってろよ。」
「うん‥ありがとう‥達也…
好きだよ‥
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