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プロローグ
「うぅ…ぁ゛あ…」
激しく傷む脇腹を押さえ静かにベッドに入りこむ。
“アイツ”にばれないように
そっと…
静かに…
息を殺して…
脅えながら私の今日はまた終わっていく…
暖房なんてつけていないこの自室。
いつからか“アイツ”から逃げてただ寝る場所になっていた。
ついに危なくなったら私は窓から素足で逃げる。
実の父親、という悪夢から。
今日は殴られただけ…
すごく身体中痛いけど…
まだ大丈夫…
まだ……
ゆっくりと襲ってきた睡魔のせいで瞼がとじていく。
遠くなり暗くなる脳裏に浮かんだ
ただ一言の言葉。
『助けて』
届かない思いだとあのときはまだ信じてなかった。
きっと神様が助けてくれる。
そうおもっていた9歳の私。
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