逃げ場

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その事に気づいてから 全員が『幸せ者』に見えた。 母親がいない私。 家に帰れば「お帰り」なんていってくれる人はいない。 父親に殴られる私。 家に帰れば「いらない」と言われる。 そんなことが当たり前な私と そんなことを虐待というみんな。 『死ねばいいのに』 自分も 幸せ者も 父親も母親も 世界も 運命も 全て死ねばいいのに。 「うぅ…あ゛ぁぁぁあぁぁ゛…」 枯れた喉で泣き叫ぶ。 「なんで…私なの…っ」 涙が伝う頬を拭ってくれる人なんて 私の周りには居なかった。 、
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