1703人が本棚に入れています
本棚に追加
しかしこの姉、写真を撮るだけでは飽きたらないらしい。
フォルダの良夜をニマニマと眺め、それに満足すると次へと移り始めた。
「無警戒なのがいけないんだよー?」
何を理不尽な。
彼女は眠っている良夜の顔に自身のそれをゆっくりと近付けていく。
濡れ羽色の髪を耳に掛け、良夜の規則的な呼吸をBGMに更に接近する。
「お姉ちゃんのこと……良夜はどう思ってる?」
そして彼女は、返事の返ってこない彼に唇を落とした。
*
∞良夜視点∞
これはどういうことだ。
今、俺は大変非常に果てしなーく困っている。
というのも、目の前には幸せそうな寝顔の我が義姉が眠っているからだ。
それだけならまだ許してやらないこともない。
ただ一点を除いては、だが。
「んぅ……りょうやぁ、ふへへ…♪」
(何でだ?何で俺の指が……)
「んふふ……チュパ」
舐められているんだ!?
その前に一旦説明しておくと、俺の目の前ですやすやと寝息を立てているのは義理の姉の清浦柚葉(きようら ゆずは)。
この春から高校2年生になる。
腰まで伸びた長い黒髪は揺らせばシャンプーの華やかな芳香が薫る。
目はパッチリ二重で、黒目も大きい。
スタイルも抜群で、最近DからEにレベルアップしたんだとか(自己申告)。
最初のコメントを投稿しよう!