三世

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その夜、正志は考えた。 もし、今すぐに小学生まで戻ったら神童として、もてはやされるだろう。 くわえて、預言者としても有名になれるだろう。なんせ、未来が分かるのだから。 しかし、それから現在まで成長したらどうなるか。 頭の程度も高校生レベルで、天才ではなくなる。 今より先の未来は分からないから、預言も無理になってしまう。 世間には忘れ去られ、また後悔の日々が始まるに違いない。 だったら、もっと勉強して、もっと先まで未来を見てから、過去に戻った方がいいだろう。 頭が良ければ良いほど、より長く今を生きるほど、過去での価値は上がるのだから。 そんな結論に達し、正志は眠りについた。
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