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秋の夜風が窓を叩く。
私は薄いカーテン越しにかすかな肌寒さを感じた。
真夜中に大合唱していた鈴虫やらコオロギやらは、寝静まってしまったのか、外は風の音しか聞こえない。
私がシャーペンを紙の上ではしらせる音、ノートや教科書のページをめくる音が部屋に響く。
私は自分の部屋で勉強している。
大学受験の為だ。
家族はとっくに寝てしまった。
私の事柄を覚えられない苦労も、
問題が解けない苦しみも、
あの人達には分からないだろう。
私は昼間の親との口喧嘩を思い出した。
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