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千景と純血の女鬼
千鶴は最近ため息が増えている、 と自分で分かってい ても止められなかった。 その原因は夫である、千景の 事だ。 最近、全く話してない。 それにどこまで私が求められているのか。 彼は純血の 女鬼だからだけではない、と言っ てくれたけど、 まだ 信じきれないというか・・・。 天霧に聞いても苦笑いで、 不知火なんて大笑いした。 とにかく不安だった。 今日もため息をつく。
「おい、不知火を知らんか」
久しぶりの会話だというのに全く普段の会話 。
「知りませんっ!」
「・・・千鶴。何を怒っている?」
「分かってないからですっ!」
本気で怒ってるのに、千景は面白そうに笑う。
「何が面白いんですかっ」
「千鶴、そなたが怒ってるのがなかなか楽しくてな。 」
千鶴はむうっとすねる。
「千景。夫婦仲が良いのは結構ですが、仕事 を片付け て下さい」
天霧が声をかけてきた。
「仕方ない。今日は早めに片付けるから、待 ってい ろ」
一方的に命令して去っていく。 きっと一生俺様なんだ ろうなぁ。 自分の一生を考えちょっと間違ったかも、 と思う千鶴だった。
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