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演技だなんて分からなかったんだ。
偏見ないと言ったら、にっこりと笑って「なら、諦めない」と言って来たあの子。
「でもでも、俺ちゃんと言ったぜ?…ぜってなんだ。じゃなくて、無理って言った」
「ほー…で、結局落ち込んで帰ってきた理由は」
「そ、の……理由はって…えっと」
言いにくい。
非常に言いにくい!
どうすれば……
「ユー君~!」
ハートが付きそうなアルト音で呼ばれた。
なぜ、俺だと分かるのかと言うと、最近聞き覚えた声だからだ。
「げっ」
「ん」
クラスの皆が一斉にその声の主へ目を向ける。
数秒の沈黙。
そして、歓声が上がった。
「かわいい~!!」と女。
「おおおおお!!」と男。
「あれ、3組の稜-リョウ-君だよね!?かわいいー」
そう、その稜君が、………なぜか、
女装してきました!!!???
「見て見て~。かわいい?」
キャハッとウインクしてポーズをとる稜君。
可愛いです。
可愛いですけど。
「だから、お前男じゃん」
ミニスカって言っても女の子じゃないし、短くてもそわそわわくわくしない。
変態って言うなよ。
「こりゃ…また」
本庄も俺と同じ心境らしい。
稜君は可愛い容姿で学校のアイドル的存在なんだけどね…。
どうして、スカート履いているんでしょうか。
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