君が望むなら

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『マサト!見て見て~。私の子供!うふふ、ヒロキくん若い叔父さんですよ~?』 俺と姉貴は10歳離れた姉弟だった。 ほんわかした性格で歳が離れていて俺の世話を自分がしていたからか、なんかあると俺に絡んでくる。 そんな姉貴が絡んでこなくなり、家を出て行ったのには衝撃があったけど。 けど、俺も俺でそんな姉だしと思っていた。 歳も離れているし家くらい出るだろうと思っていたから。 けど、俺の家は自分勝手な親だから姉がいなくなった途端に家が息苦しくなったのは確かだ。 成績が下がれば怒り呆れ、世間の評判を欲する。 姉がいた頃は、いくら成績が下がっても失敗しても励ましてくれたりしてくれていた。 俺にとって、姉貴は家での安定剤だったのかもしれない。 そんな姉貴が居なくなってから反発するように俺は一時期ぐれた。 不良とかになってみたりした。 喧嘩もそこそこでき幹部クラスまでなった。 そんな高校2年の時のことだった。  
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