君が望むなら

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「カズさん。兄弟を交換とかやるとか言っちゃだめだよ。血がつながってるって大切なことだし、折角の兄弟なんだから」 そうカズに言う。 それにカズは素直に謝った。 多分、ヒロキの声が少し悲しそうだったから。 「ヒロキ」 「分かってくれればいいよ。あと、俺はマサトさんと暮らすから」 俺が何か言おうと察したヒロキは俺の言葉にかぶせそう告げる。迷いなく。 「マサトさんは俺を救ってくれた人だし、大好きな家族だから。マサトさんが俺を入らないって言わない限り俺はマサトさんにお世話になる」 そう言って、俺に笑顔をくれたヒロキに俺も自然と笑顔になる。 そして、 「ヒロ。いつでも居ていいからな」 と、ヒロキを優しく抱きしめた。ヒロキもそれを受け入れ「うん」と頷いてた。 「なら、時々遊びに来いよ。それならいいよな」 「うん。行く」 嬉しそうにヒロキはカズの言葉にも頷く。それは、友達と余り遊んだ記憶のないヒロキだからだろう。 駄目と言いたいところだけど喜ぶ事そしてやりたいから言わない。 「そう言えば、マサ。貰って来たんだろ」 「あ、そうだった」 「え?何?」 「ん?お前の転入手続き」 それを言うと驚いた顔をした。 そんなヒロキにパンフレットを出す。 「カズはここで教師やっているんだ。進学校ではないんだけど偏差値は多少高いし色々な大学の推薦もできるみたいだからどうだ?」 聞いてみるが、ヒロキは目をキラキラさせたままパンフから目を離さない。
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