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それが微笑ましく思う。
けど、ヒロキは眉を八の字にして諦めた表情をした。
「どうした?」
「行きたいのは山々だけど、俺金無いし」
「金の心配なら平気だ。俺が出す」
それを言うとヒロキはこれでもかと言うくらい悲しい顔をした。
なぜ?!
「そんな迷惑かけられない!俺の我儘でここに連れてきてもらったのに!俺働くよ。大学は自力で勉強して…」
「迷惑なんて思っていない。我儘なんていくらでも言えばいい」
俺はヒロキの言葉を遮って強く言う。
お前は我儘を言えずに育った。それをこの程度でしちゃいけないなんて言わせない。
「それとも我儘が嫌ならこっちから我儘を言ってやる」
「え?」
「お前は高校に行け。高校でいい思い出を作れ。俺は同年代と一緒に遊ぶお前が見たい」
「!!」
学校と言う所で友達を作り、一緒に勉強も遊びもすればいい。
まだ、10代なんだから。
「俺は、俺たちはお前の見方だ。お前のやりたい事を応援してやる」
「…でも、俺に友達なんて…」
弱気になってしまっている。これはトラウマと言うやつだ。
あの家をまじ潰してぇ。
「ヒロなら出来るって。ヒロの笑顔は百人力だしいい子なんだから」
俺が怒りに満たされていると横からカズがそう優しくヒロキに言った。
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