君が望むなら

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「ヒロは当時最強だった俺らのチームで遊んだの覚えてるか?不良が子供に対してあんなやさしくする何て基本ありえない。あんな事になったのはヒロキの心がきれいだからだよ」 「……カズさん」 「高校においで、大丈夫だから。皆いい子たちばかりだから」 にっこりとカズがヒロキに言う。 ヒロキはカズから目を話さない。その目にはまだ不安が見える。 「ヒロ…」 「マサ…ト…お兄ちゃん?」 「くすっ。もしだぞ。虐められたら俺が、というか、俺らの元チーム全員でお前を救ってやる」 もう一度やさしくヒロキを抱きしめ不安を無くさせる。 「ヒロは忘れているかもしれないけど、俺らは全員ヒロを友達だと思ってるから。お前はひとりじゃないから」 歳は離れているけど、チームの皆はヒロキの事を本当に大事に思っている。 誰も忘れていない。だからこそカズがヒロキの事を知ったのだから。 「恐がらないで高校へいきな。多分、それを姉貴も望んでいるから」 そう優しく囁くとヒロキは俺の服をぎゅっと握って「うん…」と弱弱しくも嬉しさを含んだ声でそう言った。 「俺はもうひとりじゃないんだよね…」 「「あぁ」」 ヒロキはひとりじゃない。 俺とカズはその言葉を含め泣きそうになって俺に抱きついているヒロキに頷いた。 「2人とも…ありがとう…」 ヒロキはそれにこたえるように、濁りのない綺麗な笑顔を俺らに見せてそう言った。 end
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