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―ある日曜日のこと―
「....(-_-#)」
七瀬 玲(ナナセレイ)はイライラしていた。
というのは他でもない、
「七瀬さんっ!このパン超うめぇですよっ
ん?なになに....そっか新発売かっ!だから今まで見かけなかったのか~(笑)」
熱血刑事、跡沢生斗(セキザワナリト)のせいである。
20分ほど前に、突然事務所に入って来たかと思うと、勝手にデスクにコンビニパンを広げ、食べ始めたのだ。
「...跡沢さん、あなた仕事はどうしたんですか?あなた程腕の良い刑事が 休日だから暇、なんてことは無いでしょうに(皮肉)」
「それがですねぇ、上司に『お前は犯人逮捕に体を張りすぎだ。今日ぐらい息抜きしてこい。』って言われちゃいましてっ」
笑いながら頭をかく跡沢。七瀬はため息をつきながら、
「だったら他に行くところとかあるでしょう...何でわざわざこんな所に来るんですか?(敵の本拠地に...)」
その問いに
「ん~...確かにそうなんですけど、テキトーに道をぶらぶらしてたら 偶然この下を通ったんで、行っちゃえ☆と思いまして」
先ほどより更ににこにこしながら答える跡沢。
(何が「行っちゃえ☆」だ...)
七瀬のイライラが 更に増す。
「そんなことより、七瀬さんはどこかに出かけたりしないんですか?
せっかくのいい天気なのに」
「生憎 今日は仕事が溜まってるんで...」
返事の途中で口を閉じる七瀬。
いきなり事務所のドアが乱暴に開いたからだ。
入ってきたのは...
「よぉ、七瀬ぇ...久しぶりだな」
球磨川 聖矢(クマガワセイヤ)
殺された球磨川弁護士の息子だ。
「...はぁ、またあなたですか。いい加減諦めてください。今日こそ警察呼びますよ?」
跡「いや、俺も警察なんですけど」
跡沢のつぶやきは無視された。
「い~や 諦めねぇ。
今日こそお前に『Yes』と言わせてみせる...!」
口端をあげる球磨川。
「な、なんのこと...!?」
今の状況が全く理解できていない跡沢。
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