少女と修道女

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あの二人がこの村へ辿り着いてから2日。 何かの巡り合わせか、この村には、今はもう使われていない無人の教会が在った。 村に着くなり、神父は体調を崩した修道女を休ませるため、どこか静かな場所を借してもらいたいと乞い、村人達は迷う事なくこの教会をすすめた。 「貴女、カートンさんの話は聞いた?昨夜ですって…」 「ええ…不治の病だったそうね…。でも良かったわね、神父様に祈って戴けて…」 一週間。 ここへ来て初めて、 修道女が一人で姿を見せた。 暗い森の入口に立ち、一人で何か呟いているのを村の少年達が見つけたのだ。 教会から時折聞こえる不気味な笑い声。 日に日にやつれていく神父の姿。 そして、 相次ぐ村人の死。 おかしいとしか言い様のない出来事に、村人達の不安は募り… それは全てあの修道女へ向けられた。 この日、 少年達が怯えて逃げ帰ったその後。 修道女は冷たく、光のない瞳で空を見上げていた。 「もう来たの…脅かし過ぎよ。木霊まで逃げてしまったじゃない…。…解ってる、ただの遊びよ。私は、逃げも隠れもしないわ…」 彼女の声は低く、 風の中へと静かに 消えていった─…。
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