6人が本棚に入れています
本棚に追加
――世良の家――
おどろいたな…。明って世良のこと好きだったんだ。
「ねぇ、ミヤ。聞いてる?」
「え?」
「聞いてなかったの?もう!」
世良は俺に抱きついてくる。いつものように甘えながら。
「ゴメンな?もう一回話して?」
「やぁだ!大事なことだったのにぃ。」
あっ、世良すねた。学校の世良とは大違いだな。
「じゃあ俺から聞いていい?」
「なぁに?」
「今好きな人いる?」
「いるよ。」
「誰?」
「ミ~ヤ!」
「…俺以外。」
「ミヤがいい!…でも二番目ならいるよ。」
「誰!?」
「そんな嬉しそうにしないで!一番はミヤなんだから!」
…可愛いなぁ。でもこれを明に渡すのか。
「…まだわかんないけど…。理央に言われたの。好きなんじゃない?って。」
「へ~。橘じゃなくて鷹野にかぁ。誰の事?」
「本人に絶対言わないでね?絶対だからね?………室戸明。」
驚いたけど顔にはださず、つぶやいた。
「ビンゴだ。」
「なんなの?ビンゴって。」
「なんでもない。」
なんだよ、両思いじゃんか。
「…で、世良はどうなってんの?好きだ!って飛び込んじゃえばいいじゃん。」
明も世良が好きなんだから。
「なっ、無理!ダメだよ!絶対ダメ!室戸…君だって…私の事からかってるだけなんだから!」
「世良、世良は明が好きか?」
「えっ、そんな…わけない…事もない…けど…。」
「はっきり言って?明が好き?」
「……好き…。」
「だったら…、まあいいや。じゃあ明に聞いてやるからな。待ってろ。」
「ん…。ありがと…、ミヤ…。」
世良は、俺をさっきより強く抱き締める。
「でも…、忘れないでね、ミヤ。ミヤが一番だからね?」
「ん…、ありがとな。」
最初のコメントを投稿しよう!