邪魔な気持ち

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邪魔な気持ち

学校の帰り道に公園に寄った。 「あっあの世良さん!男の子のメイクしてもらえませんか?!できますか?!」 正直驚いた。 出来るけど…。男子のメイク。 ショートへアーの女の子。恥ずかしそうに下を向いている。 私は近寄って笑顔で答えた。 「できるけど。どうして?」 長い前髪をピンで止めようとしたとき、フッと髪からシャンプーの匂いがした。 ドンッ! 私はその子を突き飛ばした。 「いったぁぃぃ。」 「どういうつもり?!あんた女の子じゃない!男でしょ?!」 私はその子を思いっきり睨んだ。 「なんだ。わかっちゃったか。」 「顔立ち、女の子に似てる。女装すれば誰でも見間違えるでしょうね。」 女物のパンツに黒いパーカ。ファーのマフラーに女物のブーツを履いてるから尚更。 なによ…!コイツ! 「じゃあ何でわかったの?」 「匂いよ!男性用のシャンプーの匂い。なにが目的?男のメイクをしてもらうためじゃないでしょ?騙された私をみたかっただけ?」 「世良ちゃんに、メイクしてもらいたかっただ~け!失敗しちゃったぁ!俺は室戸明(むろと・あきら)覚えてといてよ!」 そう言って行ってしまった。 「うるさーーーーーーい!!!」 誰もいない公園で叫んだ。 でも騙されて悔しかったのもあるけどなにかさっきからモヤモヤしてる…。気持ち悪くてもう一回叫んだ。 「アーーーー!!!」 どうもすっきりしない。 「悔しいだけ…そう!騙されて悔しいだけ!」 必死に自分に言い聞かせた。 「室戸…明…。」 私はすっきりしないまま家に帰った。
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