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俺、室戸明。 昔っからよく女の子に間違えられていた。 だから男から告白されたことだってある。 写真と漢字だけを見て、アカリって呼ばれたり…。 何で俺、こんな顔に生まれたんだろう。 「明~。今日カラオケ行こう!」 「なんだよ、またかよ。じゃあ光輝のおごりな!」 「うわ、可愛い顔してコワイ事言うねぇ。あ、か、り、ちゃん!」 「テメェ。今すぐ亡き祖父祖母に会わせてやろうか?!」 「ギャー。殺されるぅ!ゴメンなさい!おごるから!カラオケ全部払うから!俺まだ生きてたい!」 「いったな?マジで全部払えよ?お~い皆!光輝のおごりでカラオケいかね?!」 「うわ~!明のバカ!俺に借金まみれの人生を送れというのか!」 大げさだろ。 いくらなんでもなぁ。 「つーか光輝。お前、橘と行けよ。彼女だろ?」 「うぅ…。なんか今日は、黛世良って子にメイクしてもらう日だからダメ!だってさ…。」 黛世良? っあぁ!あの子か。 「一度でいいからメイクされてみたいよなぁ。美人だし。」 おいおい、お前彼女いるだろ。 けど確かに美人なんだよな。 「あっ、いい事思いついた!」 「おぉ!今日の明はなにを思いついた?」 「秘密。」 「ケチ!」 誰が教えてやるかよ! これなら世良ちゃんにメイクしてもらえる。 まあ俺の特権だけどな! そしてあの方法を試したらシャンプーの匂いでばれた。 折角、姉ちゃんから服借りたのにな…。
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