30人が本棚に入れています
本棚に追加
それから翌日。
俺は先生に希望通りの学校に行く事を言った。
先生がいい判断だ…っとか言ったけど、俺はなんにも思わなかった。
俺は引き取られてから、花夜のためだけに頑張って来た。
これも花夜のためだと、俺はそう思っていた。
だけど、事件は起きた。
花夜が事故にあった。
なんでも、あの公園でボールを取ろうとしてる少年を車に引かれそうになった所をかばったとか。
俺はといえば、その時は授業中で先生がその事を知らせてくれて、俺は荷物を持って走って病院に向かった。
花夜は優しい。
人のために自分を犠牲にする奴だ。
自分が傷ついても平気な顔をしている。
そんな花夜を見ていると痛々しい。
「進一!」
走っていると車から顔を出して呼びかけたのは父さんだった。
「病院まで行こう」
俺は車に乗って、病院に向かった。
車に乗ってじっとしている時間がたえれなかった。
そわそわしている俺を見て父さんはなるべく近道しようと気遣ってくれている。
あぁ、母さんにもこんな優しさがあればな。
でも、それは俺だけかもしれない。
この家で信用出来るのは花夜だけ。
この二人は何を考えているのかわからない。
最初のコメントを投稿しよう!