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あれは中学の頃だった。
俺はいつもと変わらない日常。
中三なだけあって、周りはぴりぴりしていた。
正直言って息苦しい。
俺はこんな空気は嫌いだった。
「北城先輩、こんちわー!!」
一つ年下の後輩が俺の姿を見るなり頭を下げて挨拶をする。
ちなみに、俺はサッカー部に所属していて引退したばかりだ。
後輩達はまだ俺を慕ってくれている。
正直、嬉しいものだ。
「先輩、次はいつ部活に来てくれんすか?」
「あぁ~…、こう見えても受験生だしな。
ちゃんと勉強しないと母さん五月蝿いし」
「先輩受験生だったんすか!?」
「お前殴るぞ」
わざと目を見開き、冗談を言う後輩。
俺はずっとこのままがよかった。
学校生活においては。
「北城、ここにいたのか」
少し老いた、スーツを着て髪はオールバックでスッキリとしている俺の担任、古川が声をかけた。
「お前、職員室に来い」
「先輩なんか悪い事したんすか?」
「してねーよ!!」
後輩の頭を軽く殴ると、いてっと言って痛がる後輩の言葉にも耳を貸さず先生に着いて行った。
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