絶対等号

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その言葉が予想外だったのか、エレナがだけで無く、ウォルフさんまでもが目を見開いた。 「エデンのランクを貰えるんだよ?」 エレナが詰め寄りながらそう言った。 「だからだよ、俺は別に戦闘狂じゃないんだ」 某野菜王子のような戦闘民族じゃない。俺は平和主義を掲げたもやしっ子民族なんだよ。 「でも……」 残念そうに顔を伏せるエレナ。そこに、ウォルフさんが俺に近づいて来る。 「悪いが、俺はその試験を受けて欲しい」 ウォルフさんは息を継いで続ける。 「近々、アラドヘイムが軍事体制を整えるんだ」 重々しく告げたウォルフさんの言葉は文字通り重く心臓にのしかかってきた。 「な、なんで?」 エレナが動揺したようにウォルフさんに訊ねる。 「この依頼内容にもあるように、各地で異常な魔力が数回に渡り感知されている。原因は分からないが、国は非常事態に備えて軍事体制を敷くことになる」 ウォルフさんは少し間を開けてから「一般市民には極秘で」と続けた。 つまり、軍事体制を敷く中で、より実力者を集めた方が安全であると言うことか。大方帝以上のランクの人間には隊長を勤めさせるのだろう。 「俺がメシアかエデンのランクを取れば、国が安全になる。そう言うことですか?」 「そうだ」 間を開けること無く、ウォルフさんはそう返してきた。
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