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終礼が終わり、皆があわただしく動き出した。
掃除をする者、部活に行く者、家に帰る者・・・・・
私は・・・・
もちろん・・・・・
「家に帰れるー!!!」
そう叫びながらスクバを乱暴に担いだ。
教室を出るとゴミ捨てから帰ってきた真由美がこっちに向かって歩いてくるところだった。
私は手を振りながら彼女にむかって駆け足で近づいた。
「真由美は今日も部活?」
「当たり前でしょ、てか何であんたは部活入んないの?」
「だって、軽音部ないし・・・」
と真由美をチラ見しながらこたえると、
「・・・・・・・。」
あっ、本気で呆れてる。
「まあ、あんたらしいか・・・。それじゃあまたね!」
「ばいばーい!」
こうして真由美と別れた私は自転車に乗り込み家に向かってゆっくりとこぎ始めた。
「貴方は私じゃないけど~♪私も貴方じゃないけど~♪」
お気に入りの歌を歌いながら田んぼ道を自転車で駆け抜ける。
やっぱ風下隊サイコー!!!
特にこの曲!!!
他人は他人、自分は自分!!!
ヤバすぎ!
「私は貴方になれなくて~♪全部わかるわけじゃないから~♪」
カァ・・・カァ・・・・・・!!
「だから人は話し合って~♪」
カァ・・ガァ・・・シャー・・・ガァガァ!!
「これから先も理解しあって行くんだよ~♪」ガァガァガァガァ!!シャーシャー!!
何か前方うるさいんやけど。
どうすればいい・・・これ。
1メートルぐらい前には・・・・・・・・決闘している烏(カラス)と蛇。
烏は両方の翼に白い羽が一枚ずつある。蛇は白蛇だ。
あきらかに烏が優勢。
しかし、蛇も負けじと応戦。
烏の動きに合わせて頭を向けて必死の抵抗。
どうしよう・・・・
助けるのか?
うーん。
白蛇だし、珍しいし・・・・
よっしゃ!
「そこどけ烏!有希様のお通りだー!!!」
カァッ!?
烏は飛び去り、蛇と私が取り残された。
「なんか、スッキリした~!じゃあな蛇!」
私はそう言うとまた自転車に跨り走りだした。
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