生徒会が王道じゃないなんて認めない、認めたくない。

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  講堂に到着するや否や、探すのはもちろんボサボサの黒髪に分厚いメガネの王道くん。 今年も少ないけど、何人かは外部生がいるはず。探すべし探すべし! 探すべ.....「おはよぉ、花京院センパイ?なんで俺は今目隠しをされてるのかなあ~」 「嗚呼、君の目に映るものが僕だけならばどれだけ素敵なことだろう。美しい君の目に映る美しい僕!だがしかし世界は残酷で、美しい二人の恋には障害が付きものだ。なんて悲劇的で哀しく美しいのだろう!愚かな野獣共から君を救い出したい!おお周くん!ああ周くん!どうして僕らは生徒会と風紀委員なんだ!!」 王道くん、いないなー。 目元を覆っていた邪魔な手をそっとはずし、キョロキョロと新入生を見回すが、やっぱり王道くんは見当たらない。 ふっ、しかぁーし!元より今日には期待していないのだよ。期待するべきは今日ではない、一週間後だ!! 真の王道くんとは少し遅れてやって来るものなのだ。甥が編入してくるときは必ず連絡くれるって春休みに理事長と約束したしな。やったね俺!  
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