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講堂から出たあと他の生徒会役員と別れた俺は今、理事長室にいる。
「...それで?甥っ子さんはいつ編入してくるんですか?明日ですか?1週間後ですか?1ヶ月後ですか?早すぎず遅すぎないほうがいいですね。もうすぐ新歓もありますし。それと容姿は?というか写真は?変装はもちろんして来るんですよね?ボサボサの黒髪に瓶底メガネですよ。異論は認めません。」
「ま、待って周くん。君に言わなきゃならないことがあるんだ。」
この学園の理事長、気弱でショタショタな春日幸仁(カスガ ユキヒト)さんだ。幸仁さんには昨年「本当はチャラ男なんかじゃないんでしょう?僕の前では演技しなくていいよ」と言い当てられてからは素で接している。
叔父でこの王道っぷり...。甥っ子はどれだけハイレベル()な王道なんだ。副会長あたりに「本当はオカマじゃないんだろう?」とか言ってアレやめさせてほしい。
「言わなきゃいけないこと?もしや...甥っ子は編入してこないとか、甥っ子なんて本当は存在しないとか.....」
「違う違う!そうじゃないんだけどね......実はもう、高等部からの外部生として入学済みなんだ」
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