金髪碧眼で変装しているならそれはもう王道くんでいいだろう。

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  えーっと王道くんの部屋番号は...802。おしい。 そうだな、そんなにうまくいく訳がない。 いきなりカードキーを使って入ったらきっと驚かせてしまうので、インターホンを鳴らす。 返事はない。もう一度鳴らす。 ......。 ピンポンピンポンピンポンピンポンピ「誰ですっ?」 お、声は割とイケてる。部屋では変装解除してんのかな。 「あー..えっと、俺ぇ、今日から君の同室者で2年の神咲周だよぉ。」 「ど、同室者!?僕、そんな話聞いていませんっ...」 「それがさっき決まったんだよねぇ~。とりあえず部屋に入れてもらえないかなぁ?」 しばらくの沈黙のあと、ガチャリと開かれるドア。王道くんは、変装後の王道くんでした。 「あれ?なんで一人で部屋にいたのに変装してるのぉ?」 「な、ななななんで...なんで...」 「知ってるかって~?」 王道くんは怯えた様子でこくりと頷く。とりあえず玄関で話すのもなんだし、リビングまで王道くんの腕をぐいぐい引っ張って行き、ソファに座らせ...ようとしたら手を振り払われた。 「さ、さ、触らないでくださ...い...」 おっとやばい、涙声だ。思ったより人嫌いは重症のようだ。というかもはや恐怖症?  
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