金髪碧眼で変装しているならそれはもう王道くんでいいだろう。

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  まずは王道くんの信頼を得ることから始めないとな。なんかもう総受けを見たいという気持ち抜きにしても、王道くんと仲良くしたくなってきた。 「いきなり腕掴んじゃってごめんね。えっと、なんで変装のことを知ってるかというと~、君の叔父さんと俺がお茶友達でぇ、昔の写真を見せてもらったからなんだぁ」 「そ、そう...だったんです、ね...」 「そう。で、せっかく同室になったんだし君と仲良くなりたいんだけどぉ...ダメかなあ?」 「仲良く......?」 王道くんの目に少しだけ光が灯る。おお、この子意外と懐きやすいワンコタイプかもしれん。ここらで素を明かしておいたほうがいいかな。 「実は俺もキャラ作ってるんだよ。今日の集会出てないだろうから知らないと思うけど、一応この学園の生徒会会計で、まあ分かんないと思うけど腐男子総受けにならないためにチャラ男のフリしてるってわけ。この髪も地毛だし。」 チャラ男に見られる要因の一つであると思われる栗色の髪を掬い上げる。 「だから、君もこの部屋でくらい変装解いたら?そのほうが楽だろ。ていうか名前教えてくれる?」 「......名前は、春日國人(カスガ クニヒト)、です......じゃ...」 それだけ言って王道くんはふたつ並んだ扉のうちのひとつに入って行ってしまった。 この王道くん、攻略法が全くわからん。てっきり早々に変装を解いてくれるのかと思ったのに。現実は難しいなあ。ていうか俺、打ち明け損じゃないか。  
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