金髪碧眼で変装しているならそれはもう王道くんでいいだろう。

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  あのあとコンビニ横のコスプレショップでお目当ての物を買った俺は、部屋に着くや否や意気揚々とメイド服に袖を通す。 どうして寮にコスプレショップがあるのかとか、コンビニの横にそんなもん置くなとかいうツッコミは受け付けない。何故ならここが王道学園だから! それにしてもコレ、なかなかイケるんじゃね!? 初メイド服にはしゃぐおにゃのこのようにルンルンした俺は、上機嫌のまま王道くんの部屋の扉をノックする。 「かーすがくーん!買ってきーたよー!」 出てきた王道くんが俺を見て目を丸くする。そんなことはお構いなしに続ける俺。 「ご主人様、一緒に食べましょー♪」 「あの...どうか、したんですか...?何か悩みとか...」 っは!王道くんが白い目で俺を見ている!ノリでメイド服着て「ご主人様♪」とか言ってみたけど何これ何これ。いくら王道くんの難易度が高いからって俺どうかしてたわ。冷静になってみるとものすごく恥ずかしい。 「あ、いや...えっと...いつもこんなもの着てるわけじゃなくてだな、春日くんとどうやったら仲良くなれるのか分からなくて...」 火がついているんじゃないかと思うほど顔が熱い。恥ずかしさからか、涙も出てくる。 「ごめん、着替えてくる......」 早くここから立ち去りたくて自室へ戻ろうとすると、腕をぐいっと引っ張られる。 「どうしてですか...?一緒にご飯食べましょうよ」 あれ、なんか王道くんさっきより強気...?  
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