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いつも思う。
友達や家族というのは出会うべき人だから出会ったのではないかと。
そうでなければ、出会わない。
出会う必要があり、その人と出会って何か変わる必要があるから出会うのでは。
そういう風に世界は出来ているのではないだろうか。
いや、世界ではなく、運命か。
だから、琴音との出会いも、きっと必要な事に違いない。
例え、どんなことを言われようとも――――。
「ねぇ、辛子を鼻に練り込むとどれだけ痛いのかしら?」
「・・・・・・は?いやいや、何を考えていらっしゃるのでしょうか、琴音様は」
「ねぇ、やってみてくれないかしら?」
「やらねぇよ!」
例え、こんなことを言われようとも、だ。
「あら、残念な男ね。甲斐性なし」
「辛子を平気で鼻に練り込む奴に甲斐性があってたまるか」
「仕方ないわね。裸で盆踊りしながらのギャグ100連発でいいわ」
「譲歩したみたいな言い方してるけど、かなりレベルの高い無茶ぶり要求すんなよ」
「ツッコミが長い」
「ボケの密度が高いんだよ!それにボケてる自覚あんのかよ!」
「あってやってるに決まってるでしょう?」
「質わりぃな!」
そう、きっと、俺と琴音は出会うべくして出会ったに違いない・・・・・・。
そう思うことで現実から逃げることにした。
ようするに、俺は、諦めたんだよ。
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