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そして、出会いという運命は琴音だけじゃない。
例えば、このしの――――
「おりゃああああ!」
「ぶはぁ!」
とまぁ、紹介すらさせずに俺の腹に強烈なローキックを決めてくれたのが、篠宮優里也という一つ下の後輩だ。
「痛てぇな。急になんなんだよ」
「挨拶よ、挨拶」
「暴力が挨拶っておまえなぁ・・・・・・」
「まぁ、第一の理由は琴音お姉様にちょっかいかけてるからだけどね」
優里也は琴音の事を理由は知らんが、なぜかお姉様と呼んで心酔している。
本当の姉妹じゃないのに。
「とりゃ」
「ぐほぉ!?なにゆえ!?」
「ん?キモいから」
「そんな無茶な・・・・・・」
「じゃあ、・・・・・・キモいから」
「『じゃあ』って言ったんならせめて理由変えろよ」
「そんでもってキモいから」
「もう分かったよ!俺がキモいのは分かったから」
そんなやり取りに琴音が介入してきやがった。
「駄目よ、優里也。そんなに冬夜君をいじめちゃ」
な・・・・・・、いつもは俺をいじめる奴が救いの言葉だと!?
まさか琴音。俺はおまえの本質を見抜いていなかったというのか!?
本当は琴音は優し――――
「冬夜君はドMだから喜ぶだけよ?」
「琴音からは精神的暴力かぁああああ!一瞬たりとも琴音が本当は優しいんじゃないかって思った俺の反省をかえ――――」
「琴音お姉様は優しいわ!」
「ぐべらっ!」
優里也に直接的暴力をくらい、冬夜さんのHPは0になりました。・・・・・・がくっ
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