一日目

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――東京 渋谷 日本――主に関東のテレビでよく目にするスクランブル交差点。そこに人影は無かった。 代わりに、赤黒い液体と、肉片が飛散していた。 商業ビルに付いている巨大なディスプレーは何も映さず、ひび割れている。その上には、人が通れるような穴がある。 そこに、犬のようだが、三メートル強もある生物が歩いてきた。地面に落ちている肉片を食らう。 ふと、目のないその生物は、巨大ディスプレーの上を見る。ゼリー状の涎と一緒に肉片を落とす。 走り出した生物の額に穴が空く。一瞬動きが鈍ったが、走る。が、二カ所、三カ所と穴が増え、ついに動かなくなった。 人類は、存亡のときを迎えていた……。
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