一日目

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男は伏せる。やり過ごせるか……? 謎の生物――男はフントと呼んでいる――は、何かを食べている。よく見えないが肉片だろう。フントの行動を観察しているうちに、知ったのだ。フントは肉しか食べない。 男は動きを監視する。フントは肉を食べ終えたのか、げっぷをしながら歩き去っていく。 ホッと息を吐く。ライフルの扱いになれてきたとはいえ、まだまだ大変だから使いたくなかった。それに、残弾の心配もある。 フントの姿が完全に見えなくなってから男は動き出した。 ゆっくりと歩き、先ほどフントが居た場所に立つ。血は既に、黒く乾いたシミとなっている。どうやらしばらく前に失血とかで死んだ何かの肉を食べたのだろう。想像しただけで吐き気がする。 男は少し早足でそこを去った。 しばらく歩いていたら、ビル群から住宅街に入っていた。よくわからない場所だ。やはり人影は無く、閑散としている。バッグや片方だけの靴、携帯などが落ちていなかったら人が居たかどうかも怪しいと思えるほどだ。 空き缶が足元を転がる。男はそれを避けて歩く。
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