一日目

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「……そうやっていつも人の意識を別の方向に持って行くのか?」 「戦闘データ云々のことか? それはいったいなんなんだ?」 「新種で致死率の高いウイルスの蔓延と、人を襲う生物……。こんなことが重なるなんて偶然とは考えにくい。それに、ライフルの扱いになれているのはさっきのでわかった」 女はパンを食べながら言う。 「襲撃された避難所から脱出できたことといい、あなたは怪しすぎる!」 「お前だってライフルを持ってるじゃないか。同じようなもんだろ」 「違う。私は治安維持部隊の生き残り。暴動や襲撃で仲間は死んだ。何人かは生き延びたが、離れ離れ……」 直樹は地図を広げる。 「よくわからんが、とりあえずお前が移動した範囲で、人が居なかった場所にバツ印をつけてくれないか? それと、現在位置も教えてもらえると助かる」 女は警戒しながら地図に印をつけていく。現在位置近辺は全てバツ印をつけられた。 「ただし、さっき学生を見かけた。探せばまだ近くに居るかもな」 生きていたらの話だが……と付け加えながら、女は走り去る。
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