ハルのお仕事。

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「げっ!」 あたしは反射的に短剣に手をかける。 「可愛いなぁ~。 ぐへへっ」 醜い顔で魔物はアキジュにほお擦りする。 アキジュはアキジュでメソメソ泣いている。 「ちょっと! 汚い手でアキを触んないでよ!」 頭にきたあたしは腰の短剣を抜き構える。 「ケケケッ。 勝ち気なアンタも可愛いな」 じゅるじゅると汚らしいヨダレを垂らしながら魔物はあたしを見る。 「あたしが可愛いのは当たり前よ」 キュートでラブリーなあたしがアンタと話してあげてるんだから、感謝してほしいわ。 「生意気な小娘め!」 魔物はカッと目を開きあたしを見る。 どさっ! 抱き抱えていたアキジュを魔物は地面に投げ捨てた。 「ぎゃっ!」 受け身をとれなかったアキジュは痛そうにうずくまる。 「アキを雑に扱わないでよ!」 酷すぎる。 女の子に対して何て乱暴なのかしら。 許さないわ!
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