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そうなのよね。
何だか不気味なくらい絡まれるのよね。
まさか、王女失跡で何かが狂い始めてるのかしら……。
まさかね……。
「……ハルさん」
暫くしてあたしから離れて歩いていたアキジュがあたしに話しかけてきた。
「ん?」
あたしはアキジュの方を振り返り、足を止めた。
「あたし強くなりたいんです」
真っすぐにあたしを見てアキジュは言う。
「は?」
あたしはいきなりの事できょとんとする。
「例えばですけど……。
もし城が襲われたら王女であるあたしは逃げてはいけないと思うんです」
アキジュは真剣な顔で言う。
いつものほほんとしているアキジュとは思えない顔付きをしている。
これがきっとホントの『王女・アキジュ=マーラ』の姿なんだろうね。
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