小さな光

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――2312年8月24日――  俺が“あいつ”に出会ったのは、彼女が死んだ翌日だった。  この世は、決して平等なんかではない。  悲劇のヒーローを演じるつもりなど毛頭もないが、この世の不条理さに嘆かずにはいられなかった。  この世が本当の意味で因果応報ならば、あんなに汚れなく優しい人が……いや、愚痴るのは止めておこう。  その必要はないから。 「本当なんだな?」  俺は再度確認する意味でその言葉を発した。
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