第一章

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は? なんで彩加ががっかりしてんの? まるで私が喋らないのが悪い、 みたいな言い草。 意味分かんないし。 「ていうか、 彩加は私に何を期待してるわけ? 勝手に肩落としてがっかりしちゃって。 私にどうしてほしいの?どうなってほしいの?」 気持ちが高ぶり、自然と早口になる。 「ちょ、そんなおこんないでよ」 「怒ってない」 「怒ってる!眉間にしわ寄ってるし!」 「怒ってないって言ってんじゃん!」 次の瞬間 ブー、ブー、ブー ポケットの中の私の携帯が震えた。 タイミングがいいのか悪いのかよく分かんないけど、高ぶった感情がおさまらないまま携帯を開く。 ディスプレイには『佐藤宏平』の文字。 え、何? 予想もしてなかった人物からのメールに、動揺を隠せない。  
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