第一章

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彩加をちらりと見ると、そっぽを向いて不機嫌に口を尖らせていた。 ……なんでアンタまで不機嫌になんのよ。 不機嫌になりたいのはこっちだバーカ。 わざとらしくため息を吐いて、メールを開く。 『今日一緒に帰りませんか?』 …なんで敬語だし。 そういえば、そういう約束とかしてなかった。 とりあえず『いいよ』って文字を打って、はっとする。 ……待てよ、アイツと帰るってことは、彩加とは帰れないってことだから――。 ニヤリ。 いいこと思いついた。  
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