第一章

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「彩加」 いまだ口を尖らせていた彩加は、私の低い声に肩を揺らした。 「な、に?」 彩加はビクビクしながらこたえた。 「今日一緒に帰れないから」 「え……」 彩加は顔色を変えた。 私はさっきのメールを送信して携帯をブレザーのポケットに入れた。 「てか、これからしばらくは無理だから」 「あや」 「じゃ、そーゆうことで」 私はガタッと椅子から立ち上がると、ブレザーのポケットに手を突っ込んで教室から出る。 「綾乃っ」  
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