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後ろから追ってくる声が聞こえる。
私はスピードを変えずすたすた歩いていく。
「綾乃っ、待って」
「…………」
「綾乃、ちょっと待ってよっ」
「…………」
「綾乃!どこ行くの?!」
彩加が私に追いついて、腕をがしっとつかんできた。
私は足を止めた。
振り返り、冷たい目で彩加を見る。
「トイレくらい行かせてよ」
「あっごめん」
彩加はバツの悪そうな顔をして、つかんでいた手をパッとはなした。
私はニヤリとする。
「彩加の負け」
私がそう言うと、彩加は一瞬キョトンとして、理解できたのか「あーーーっ!」と声をあげた。
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