第一章

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「別れよう」 そう言われ、私はうつむいていた顔を上げた。 私には先月から付き合ってる人がいた。 付き合って1ヶ月が経とうとしていたが、今、こうして別れを告げられた。 「うん」 恋とか好きとか、よく分からない。 それって、どんな感情? 恋なんてしなくていい。 したいとも思わなければ、しようとも思わない。 だから私はこうして、“来るもの拒まず、去るもの追わず”をモットーにしているのだ。 彼だって、私に気持ちがないと気付いての選択だと思う。 だから私は、別れを承諾した。 人はそれを『冷たい』とか、『冷めてる』とか言うけど、そんなのは私の自由で、誰からも指図されたくないし聞きたくもない。 そう、私の自由。 そんな、高1の終わり――。  
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