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「振られた」
「……へっ?」
始業式も終わり、帰宅途中。
近くのファミレスにて、私が何の前置きも無しにそう言うと、彩加はマヌケな返事とマヌケな顔をした。
「振られたって……祥二(ショウジ)くんに?」
「それ以外に誰がいんのよ」
「だって祥二くん、綾乃のことすごく好きだったじゃん……。
もしかして“また”なの?」
「しょうがないじゃん。好きになれないんだもん。」
「だからって、少しくらいこたえてあげても……。
大体綾乃は贅沢すぎるんだよ。祥二くん結構かっこいいから人気あるのに」
「人気あったって私が好きにならなきゃ意味がない、でしょ?」
彩加はそれを聞いてまだ納得がいかないのか、「でも……」と呟いた。
しかしこんな私に何を言っても無駄と思ったのか、その声は店内の雑音の中に消えていった。
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