第一章

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コップに入ったジュースをストローでずるずると音をたてて飲む。 彩加がストローの袋をいじりながら「彼氏ほしいなぁ」と呟いた時だった。 「高畑?」 私たちのテーブルの側に来た人が私の名を呼んだ。 見るとそこには、同じ制服を着た男がいた。 棚橋(タナハシ)だ。去年同じクラスの。 何かと思えば、棚橋はおもむろに四折りの紙を私に渡した。 「宏平から」 棚橋はそう言って自分たちのテーブルを親指でクイクイっと指した。 そっちを見ると、ものすごい熱い視線を送る男3人。 恐らくあの中にコウヘイって人もいるのだろう。 棚橋から受け取った紙に視線を戻して開いてみた。  
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