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「こうへーい」
棚橋があっちのテーブルに向かって言った。
「ほらっ、行ってこいよ」
「無理!無理無理無理!」
「何のために協力してやったと思ってんだ。おら、行け!」
「うおっ」
1人が二人に背中を押され、勢いよく前に出てきた。
……やっぱり、アイツがコウヘイか。
どうやら私の予想は当たっていたらしい。
そいつは重い足取りでこっちのテーブルにやってきた。
黒ぶちメガネ
少し切れ長の目
長いまつげ
筋の通った高めの鼻
色素がうすく若干茶色がかっている髪の毛は、ワックスで無造作に固められている。
体も細めで、ひょろひょろしてるかんじ。
所謂、“草食系男子”といったところか。
「とりあえずお互いに自己紹介を……って、なんで俺が進行しなくちゃなんねーんだ」
棚橋の言葉に後ろの野次馬二人はアハハと笑う。
っていうか、ファミレスでこんなことするの迷惑でしょ。
あんまりお客入ってないったって非常識に変わりはない。
さっきから周りのお客と店の人の目がイタイ。
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