クラスメイト

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「さて、椎名。何か俺に言うことは?」 目の前には怖いくらいに笑顔の佐原がいる。 「言いたいことって…いきなりどうしたんだよ、佐原」 佐原は何も言わない。 「……別にこれと言ってないけど」 渋々口にする。 「…そうか、分かった。よぉく分かったぞ椎名 翔!!」 俺の答えが気に入らなかったのか、佐原はキッと睨みつけると、俺を指差した。 「お前がとんでもない善人ぶった奴だってことがなあ!!」 「……えぇっと…」 困った。 佐原が何を言っているのか全く分からず、どうしたらいいのか戸惑う。 「…俺がどれだけ恥ずかしかったか知らないだろう、椎名…っ!!」 ……恥ずかしい…? 「俺はお前に話し掛けてたのに肝心のお前がいないことに気付かなくて…俺は、…俺は……っ!!」 佐原はそのまま床にうずくまった。 …なるほど。どおりで俺と佐原の会話が噛み合ってなかったわけだ。 「要するに、佐原は俺が先に行ったことに気付かず、予鈴が鳴るまでずっと一人で話していた。…そういうことか?」 「全くもってその通りだよっ!!」 …うわぁ。 想像してみるだけでとても痛々しい光景だ。 .
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