クラスメイト

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ここまで走ってくればもう大丈夫だろう。 「…はぁ」 俺は走るのを止めると、ため息を一つ吐いた。 「今は…」 ちらりと腕時計を見ると短針が七、長針が十二を指していた。 …まだ七時か。 家を出てから三十分も経っていないということになる。 …今日はなんだか、時間が過ぎるのがやけに遅く感じた。 この道を真っ直ぐに歩いていくと見えてくる雑木林の入り口、そこで俺は柚季と毎日七時三十分頃に待ち合わせをしていた。 『おはよう、翔くん!』 俺が時間ぴったりに待ち合わせ場所に現れると、柚季は決まって先に待っていた。 それがなんだか妙に悔しくて、昔は“逆に柚季を待つ側になってやる!”と意気込んだりもした。 この時間なら流石にいないだろうと六時五十分頃に俺は待ち合わせ場所に着き、辺りを見回し柚季がいないことを確認すると勝利のガッツポーズを決めようとしたその時、誰かに背中をポンと叩かれた。 ゆっくりと後ろに振り返ってみると… 『おはよう翔くん! 今日はなんだか早いね』 柚季が満面の笑みで立っていた。 その後詳しく話を聞いたところ、柚季はどうやら俺よりも随分先に到着していたらしく、俺を驚かせようと隠れていたとのことだった。 “何時から待ってたんだ?”そう俺が聞くと柚季は曖昧に笑い、何故か質問には答えようとしなかった。 .
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