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2週間ぐらい前。
「痛い…っ、痛いよっ…」
そう言って、アタシは
ある人の前で涙を流した。
心が、痛かったから。
布団に篭って、止まらない涙の傍ら、自分が涙してることにどこか違和感を覚えながら。
痛いのは、苦手だ。
ただ彼が、私を受け止めて
愛してくれたのは確かだった。
多分、あれが、無償の愛だ。
何が、どう痛むのか。
あたしは母親の前では笑わない。
傷つくのが怖いから。
ただ、あの痛みの理由が
なんなのか。
今でもよくわからない。
いつ傷ついた?
いつ苦しんだ?
人間って都合がよくて
弱くなって対抗できないアタシになんでも投げつけて
そして忘れかけたときに
「傷ついてない?」なんて
聞くもんだから、
ふっと薄笑いが漏れる。
人間って都合がよくて
自分を守ることで精一杯なアタシにまた同じ道を通らせようとする。
「可哀相だと思わない?」
なんて。同情するの?
またアタシは少しだけ薄笑う。
小さな言葉、一つ一つが
小さな刺のよう。
それでもそれでもアタシは
微笑む
祖母の前で
叔母の前で
父 の前で
友達の前で
「今」の環境に慣れるまで
何ヶ月も費やした
沢山傷ついた
それでもアタシには
それが精一杯で
それが全てだった
早く、早く
もっと前に進めるように
部屋[ここ]から飛び立てるように
沢山の統べを手に入れた。
矛盾してる 人間は。
いつでも無いものねだりだから。
孤独なら愛を求め
愛されてるなら孤独を求める。
あたしは母親の愛なんて
今更求めないことにした。
それでも大切な人の前では
微笑んだ。
どんな言葉を投げ掛けられても。
だって大切な人たちが
あたしのこと、想ってくれてるの知ってたから。
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